会長の時間 2020年8月28日(金) 第2725回例会
2020年8月29日
健康シリーズNo2 【ピロリ菌ってなに? ピロリ菌の検査から除菌まで】
日本人の4人に1人、約3.500万人が保有していると考えられている細菌がピロリ菌です。胃炎や胃潰瘍、胃癌などをひきおこす原因菌であることが明らかになっています。
ピロリ菌は、下水道の未整備による不衛生な状況や、母が子に食べ物を口移しで与えることなどで感染します。幼い時にこのような状況下で一度ピロリ菌に感染すると、一生の付き合いとなってしまいます。一度入ったピロリ菌はそのまま胃に留まり、胃の粘膜を傷つけて炎症を起こします。疾患の全てがピロリ菌によって発症するわけでは無いですが、胃潰瘍の70から80%、十二指腸潰瘍の90から100%がこの炎症によって発症する事が分かっています。
ピロリ菌に感染しているかどうかの検査方法には内視鏡を使う検査と内視鏡を使わない検査方法があり、使わない検査方法にはA.抗体測定(血液や尿を採取してピロリ菌に対する抗体の有無を調べる)B.尿素呼気試験(検査用の薬を飲み、一定時間経過した後に、吐き出された息を調べる)C.便中抗原測定(便を採取してピロリ菌抗原があるかどうか調べる)があります。
ピロリ菌の陽性反応があった場合は除菌します。
ピロリ菌の除菌療法は、1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」と2種類の「抗菌薬」3剤を1日2回、7日間服用する治療法です。正しく服用すれば成功率は約75%と言われています。
除菌の判定は、4週間以上経過してから行います。
一次除菌療法でピロリ菌を除去できなかった場合は、再び7日間かけて薬を飲みます。二次除菌療法をきちんと行えば、ほとんどの場合、除菌が成功すると報告されています。
私は、若い頃胃炎や十二指腸潰瘍に悩まされていました。そこでピロリ菌の検査を行い尿素呼気試験でピロリ菌がいることが判明しました。そこで除菌をしましたところ一次除菌療法で除菌に成功しました。それ以来、胃炎や十二指腸潰瘍に悩まされることは無くなりました。私の弟も除菌しましたが、一次除菌療法で除菌できず二次除菌で除菌できました。
もしも胃でお悩みの方は一度お医者さんに相談してみてはいかがでしょうか!